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大分合同新聞 法律あれこれ「鑑定で『父子関係なし』」 清源万里子弁護士/記事PDF

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鑑定で「父子関係なし」

Q 私と妻は5年前に結婚しましたが、私の単身赴任中に妻が不貞を行い、子どもを妊娠し、出産し ました。私は、単身赴任中も月に数回は家に戻っており、私の子だと思っていました。DNA鑑定を 行ったところ、父子関係がないとの結果が出ました。私との父子関係はなくなるのでしょうか。また現 在、妻から離婚を求められています。


A あなたと子の父子関係はなくなりません。

 原則、妻が婚姻中に妊娠した子は夫の子と推定しています(嫡出(ちゃくしゅつ)推定)。父子関係 の存否を争うには、夫が子の出生を知った時から1年以内に嫡出否認の訴えを提起することが必要とな ります。その趣旨は、家庭の平和や夫婦間の秘事を公開する不都合の回避、法律上の父子関係の早期安 定などにあります。
 例外として、妻が夫の子を妊娠し得ないことが明白な場合には、その子は実質的には嫡出推定を受け ず、提訴権者や提訴期間の厳格な制限がない親子関係の不存在確認の訴えにより、父子関係の存否を争 うことができます。
 お尋ねのようにDNA鑑定によって、あなたと子の父子関係がないことが明白になり、嫡出推定もな くなるのかが問題となります。大阪家庭裁判所は、DNA鑑定は親子関係を覆す究極の事実として嫡出 推定を否定し、父子関係を取り消しました。しかし、最高裁判所の判決では、DNA鑑定で父子関係が 認められなくても嫡出は推定されるとして、子が提起した親子関係の不存在確認の訴えを却下しまし た。従って、父子関係はなくなりません。一方、離婚後の妻からの夫に対する子の監護費用の分担請求 は権利濫用として認められないとしました。

嫡出推定はなくならず

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