確実な貸金回収法は
Q 知人からお金を貸してほしいと頼まれました。貸したお金は必ず回収したいと思っています。どのような方法でお金を貸したらいいですか。
A 貸金回収の保全措置としては、幾つか考えられます。
【借用証書を作成する】
相手を信用して、書面を作らずにお金を貸す人が案外多いのですが、非常に危険です。裁判では証拠が重要になってきます。もし知人が借りた覚えがないと裁判で主張した場合、借用証書という基本的な証拠がなければ負けるかもしれません。裁判では真実が100パーセント通るとは限らないことを銘記すべきです。なお、借用証書の署名押印は必ず知人自身にさせてください。
【担保をつける】
担保には「人的担保」と「物的担保」があります。
人的担保とは、信用や資力のある人に連帯保証人になってもらうことをいいます。保証契約は書面でしなければ効力を生じません(民法第446条2項)。保証人の欄に署名してもらう際は、必ず面談の上、目の前で保証人自身に署名してもらいます。印鑑は実印を押してもらい、印鑑証明書を1通預かっておくとより良いでしょう。
物的担保は、土地や建物を担保にすることをいい、抵当権を設定します。物的担保も貸金回収の方法としては優れていますが、登記手続きが必要となるので、詳しくは司法書士に相談してください。
【財産の差し押さえ】
知人にお金を払ってもらえないときは、知人を被告として貸金返還請求訴訟を提起し、勝訴判決を得て知人の財産を差し押さえることができます。これを「強制執行」といいます。強制執行による財産の差し押さえは、裁判をしなくても強制執行認諾文言の入った「公正証書」があれば、簡単に行うことができます。詳しくは、公証人役場へお問い合わせください。
借用証書、担保が重要