弁護士費用は誰の負担?
Q. 隣人のAさんから境界確定の裁判を起こされました。境界の裁判は素人の私には難しそうなので弁護士に依頼しようと思います。私が裁判で勝った場合、私が弁護士に支払った弁護士費用はAさんに負担してもらえるのでしょうか。
A. 自分が出した弁護士費用は原則として、裁判に勝っても負けても自分で負担しなければなりません。
【訴訟費用】
裁判に負けた当事者は「訴訟費用」を負担しなければなりません。裁判所は判決主文の中で、この訴訟費用について、誰にどの位の割合で負担させるかを決めます。この訴訟費用には次の二つがあります。
- 裁判費用 申し立てに必要な印紙代や証拠調費用(鑑定料、証人の日当旅費、実地検証のための裁判官や書記官の出張費)など。
- 当事者費用 訴状などの書記料や当事者、代理人の期日出頭旅費・日当など。
【弁護士費用】
弁護士に支払う報酬は、日本が弁護士強制主義を採用しておらず、弁護士を選任するかしないかを当事者の自由に委ねていることから、訴訟費用には算入されません。
従って、原則として弁護士費用は、裁判に勝っても負けても、各当事者が負担しなければなりません。ただし、次のような例外があります。
(1)裁判所が特に弁護士の付き添いを命じた場合は、相当額の弁護士費用が訴訟費用に算入されます。
(2)住民訴訟や株主代表訴訟で原告が勝訴したときは相当額の弁護士費用を相手(地方公共団体や会社)に請求できます。
(3)不法行為に基づく損害賠償請求では、相当額の弁護士費用を損害の一部として加害者に請求できます。
ご質問のケースでは、Aさんに不法行為(Aさんが境界くいを動かして土地を侵奪した場合など)があれば、相当額の弁護士費用をAさんに請求すれば認められる可能性があります。
原則として各当事者