大分合同新聞 法律あれこれ「離婚する夫婦の共有財産」清源万里子弁護士記事/PDF

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Q 私たち夫婦は、現在、離婚の協議中です。財産分与について教えてください。


A 離婚をする夫婦の一方は、他方に対して財産の分与を求めることができます(財産分与請求権)。中心となるのが夫婦の共有財産の清算です(清算的財産分与)。

 具体的な内容は協議や調停、審判、判決によって決められます。原則は2分の1で分与します。権利の行使は離婚後2年間までなので注意してください。

 清算的財産分与の対象となるのは、夫婦の共同名義で取得した不動産や家具、家財などの「共有財産」のほか、名義は一方に属しているが夫婦で共有している不動産や車、定期預金、株券など「実質的共有財産」です。

 こんなケースもあります。例えば夫の経営する会社の資産は法人格が別なので、本来、分与の対象にはなりません。会社が実質上、夫の個人経営と見られる場合は、分与の対象となります。

 既に支給されていたり、支給が決定している退職金も分与の対象となります。問題は将来、受け取る可能性がある退職金です。会社の存続状態や本人の退職時期、死亡といった不確定な要素が出てくるため、分与の対象となるか裁判で争う場合もあります。近い将来、退職金を受け取る見込みが、かなりある場合は、分与の対象になると考えられます。

 婚姻前から各自が所有していたり、婚姻中に一方が相続や贈与で取得したりした「特有財産」は分与の対象にはなりません。

 (弁護士 清源万里子)

 

令和元年11月21日 大分合同新聞朝刊掲載

原則は2分の1で分与